クラウン法

途中までの工程は吹きガラス技法と同じで、吹き棹につけたガラスに息を吹き込む事によって膨らまし、ガラスの反対側にボンテという鉄の棹をつけます。ここからがクラウン法独自の手順で、吹き棹を切り離した跡にできる穴を押し広げ、加えて火に当ててボンテを回転させます。するとその遠心力によってガラスが広がり、円盤状の平らな形に成形されます。これら製造の工程でガラスが王冠のような形になる事から、クラウン法という名前がつきました。この成形法は、4世紀から7世紀頃にシリアで考え出された、板ガラスの製造法です。

ド・ヌーの鋳造法

フランスのド・ヌーによって、17世紀末に考案された板ガラスの製造方法です。まず、高熱で溶かしたガラスを、銅で出来たキャスティングテーブルと呼ばれる鋳型に一息で流し込みます。そして、ガラスが柔らかいうちに金属製ローラーをかけて、表面を平らな板状にしてから数日間冷まします。ガラスが固まったら、ローラーの跡やざらざらをなくすために、手作業で表面を磨きます。この磨きの作業には熟練した技術が必要だった上、非常に時間がかかったそうです。この製造法によって、この時代においてはとても大型(約4メートル×2メートル)なガラスが生産でき、ガラスの発達がさらに進んでいくわけですね。